富山地方裁判所 平成9年(わ)169号 判決 1997年12月25日
本籍
富山県氷見市本町二七番地
住居
富山県氷見市朝日本町二三番二三号
職業
会社役員
被告人
内生藏雄治
昭和一八年五月一五日生
主文
被告人を懲役一年及び罰金一二〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
理由
(犯罪事実)
被告人は、富山県氷見市朝日本町二三番二三号に工場を有し、「内生蔵石材店」の名称で石材加工販売業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上げを除外するなどの方法により所得を秘匿した上
第一 平成四年分の実際総所得金額が四一四九万一五四〇円(別紙1修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、平成五年三月一五日、同県高岡市本丸町七番一号所在の所轄高岡税務署において、同税務署長に対し、平成四年分の総所得金額が三四〇万九七七六円で、これに対する所得税額が一五万九三〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同年分の正規の所得税額一五六七万四〇〇〇円と右申告税額との差額一五五一万四七〇〇円(別紙4ほ脱税額計算書(1)参照)を免れ
第二 平成五年分の実際総所得金額が四一八五万一二五三円(別紙2修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、平成六年三月一五日、前記高岡税務署において、同税務署長に対し、平成五年分の総所得金額が四七七万五一八〇円で、これに対する所得税額が二四万二四〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同年分の正規の所得税額一五六〇万一五〇〇円と右申告税額との差額一五三五万九一〇〇円(別紙4ほ脱税額計算書(2)参照)を免れ
第三 平成六年分の実際総所得金額が五七六九万四三五〇円(別紙3修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、平成七年三月一五日、同市博労本町五番三〇号所在の所轄高岡税務署において、同税務署長に対し、平成六年分の総所得金額が三七五万五三八六円で、これに対する所得税額が一四万一七〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同年分の正規の所得税額二一六九万五五〇〇円と右申告税額との差額二一五五万三八〇〇円(別紙4ほ脱税額計算書(3)参照)を免れ
たものである。
(証拠)
(括弧内の甲乙の番号は証拠等関係カードにおける検察官請求証拠の番号を示す。)
全事実について
・被告人の公判供述及び検察官調書
・東芳子(甲八、九、一一ないし一三)、内生藏ヨシ子(甲一五ないし一七、一九)、内生藏紀惠(甲二五)、内生藏幸子(甲二六)の大蔵事務官に対する各質問てん末書
・東芳子(甲一四)、内生藏恵子(甲二四)藤田正広(甲二九)、岩河豊美(甲三一)、山崎謙三(甲三三)の各検察官調書
・査察官調査書(甲三四、三六ないし四一、四三ないし四九、五一ないし六五)
・捜査報告書(甲三五、四二、五〇、六六)
第一事実について
・証明書(甲二)
第二事実について
・証明書(甲三)
・高真理子の検察官調書(甲二七)
第三事実について
・証明書(甲四)
(適用法令)
一1罰条 判示各所為につきいずれも所得税法二三八条一項
2刑種の選択 いずれも懲役刑と罰金刑を併科
二 併合罪加重 刑法四五条前段
懲役刑につき 刑法四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定の加重)
罰金刑につき 刑法四八条二項
三 労役場留置 刑法一八条
四 刑の執行猶予
懲役刑につき 刑法二五条一項
(検察官山西宏紀、弁護人山本毅各出席)
(求刑 懲役一年・罰金一六〇〇万円)
(裁判官 堀内照美)
別紙1
修正損益計算書
<省略>
別紙2
修正損益計算書
<省略>
別紙3
修正損益計算書
<省略>
ほ脱税額計算書
内生藏雄治
(1) 平成4年分
<省略>
(2) 平成5年分
<省略>
(3) 平成6年分
<省略>